幸成

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何つーか。洋平モテるかんな。 逢い引き現場に溜め息を吐いた。 ボソボソとした話し声に、その場を離れようとしたら洋平の言葉が耳に飛び込んできた。 「簡単に身体差し出す女に、興味ねーから」 そのままペタペタと座敷に戻り、鞄手にして入り口横にいた林に声をかけた。 「わり、煙草買ってくる」 「え!ゆきちゃん吸うの?」 「まあ多少は」 靴を履いて店を出て、雑多な人混みを眺める。スゲーな。さすが新宿、人が腐る程いやがるな。
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