◇第2章◇ 目標

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「でも監督命令だもん…診断書もいるし先生に書いてもらう書類もあるから」 木内さんが哲也に茶色い封筒を見せた。 それを渡してくれれば私がもらってくるけど?? 部外者だからダメなのかな? 哲也がため息をつきながらカバンから何かを取り出した。 「……先に行って診察券出しといて。後から行く」 え…?今日はマネージャーと行くって事…? そんなぁ~…。 哲也の顔を見上げたら、木内さんをジッと見つめていた。 「分かった…。先に行ってる」 木内さんが診察券を受け取って封筒の中に入れた。 その封筒がほしい・・・!! 私が一緒に行くはずだったのに。 「行くぞっ」 「えっ?」 急に哲也に腕を引っ張られて、転びそうになりながら下駄箱まで歩いた。 何故か下駄箱を通り越す哲也。 「哲也??どこ行くの?」 階段を上がっても、まだ足を止めない。 着いた先は、野球部のグランドが見渡せる資料室。 「ここ入っていいの…?」 広い広い部屋の奥に本棚が2列あって、古臭い本がたくさん並んでいる。 他にも使われてない教材がいっぱい置いてある部屋。 「たまにここで授業さぼってる」 ここで??知らなかった…。 「いけないんだぁ」 たまにいなくなる時があったけど、ここにいたんだ…。 「はぁ。今日もお前と帰ろうと思ったのになー」 窓を開けながら、哲也が言った。 私だって哲也と一緒にいたいよ………。 「明日からまた部活だし…今日はお前とゆっくりしたかったんだけど」 ………そんな事言ってくれるなんてちょっとビックリ…。 今すぐ抱き着きたい…! .
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