◇第1章◇ クラスメート

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◇◇◇ 「おい千夏っ!!お前今日そうじ当番だろ?なに帰ろうとしてんだよっ」 わぁっ…、見つかちゃった。 今日はみんなでカラオケだから急いでるのに…。 ハァ~… こっそり教室を出ようとしていた私、佐藤千夏(ちなつ)。 高校2年生。 で、今、私にぞうきんを投げようとしている坊主頭の相原哲也(てつや)は私の…彼氏。 1年の時も同じクラスで仲良くて、なんと春休みに告白されて付き合いだしたんだ。 だからといって何かが変わった訳でもなく、友達の延長みたいな感じ。 ちなみに哲也は野球部。 うちの学校(私立桜台高等学校)の野球部はけっこう強いらしい。 私はあまり野球に興味ないから分からないけど、哲也は野球推薦でこの学校に入ったんだって。 「ほらっ、雑巾!お前がさぼると部活に行くのが遅くなるんだよっ」 「今日はみっちゃん達とカラオケなんだもんっ」 「お前さー、俺が毎日部活で頑張ってんのにカラオケかよ?たまには待ってたりしない訳?」 野球部が終わるのを待つ?!とんでもないっ! 毎日夜遅くまで練習してるのに、待てる訳がない。 それに、雨の日も雪の日も嵐の日も部活があるから、未だにデートもしたことないし2人っきりで会った事もない。 これで付き合ってるなんていえるのかな。 付き合うって、もっと楽しくて毎日が幸せで幸せでしかたがないものだと思ってたんだけど…。
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