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◇◇◇
-次の日
哲也から電話があったのはお昼過ぎ。
ドキドキしながら家を出て、近所の駅から20分くらい電車に乗った。
今日もいい天気。
窓から見える見慣れた景色も、いつもより何倍もキレイに見える。
哲也に会えるのが、すっごく嬉しい!
電車を降りてすぐ、改札口の向こうで哲也が待っててくれた。
「千夏っ!こっち!」
私服姿は久しぶり。
相変わらずカッコイイ…!
「哲也、日焼けで真っ黒だね。黒過ぎ~」
私も相変わらず素直じゃないな。
二人っきりだとやっぱり照れちゃう。
「何だよ、会うなりまたゴキブリ扱いかよ」
「そんな事言ってないよっ!」
もうっ!
「行くぞ。後ろ乗れっ」
後ろっ?
うわ~、哲也と自転車に二人乗り!
後ろの荷台に座って哲也の服の裾を掴んだ。
でも哲也は私の腕を掴んで自分のお腹に持っていった。
「こうだろっ!」
これじゃあ後ろから抱き着いてるみたいだよっ…!
でも嬉しい。
「何か言えよ、俺変態?」
「変態っ!!」
どーせペチャパイが当たるとか言うんでしょ?
哲也が笑いながら自転車をこぎだして、大きな公園に続く脇道に入った。
「あーっ!!哲也だぁっ!!」
突然女の子の声が聞こえて二人で振り返った。
誰……?
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