赤い空の下で

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外に出ると、涼は『貸して』と言って、 あたしのバッグを持ってくれた。 涼―… なんか、変わったね。 涼は、もともと【見えない優しさ】っていうのがある人だった。 あたしは、その【見えない優しさ】にひかれた。 でも、今は【見えない優しさ】が【見える優しさ】に変わった。 あたしはそれが、 少し―… ほんの少し、 寂しかったんだ。 2年間の差を、思い知らされた。 見えない所での涼の成長が、寂しかった。 涼『恋、バスで帰る??』 昇降口を出たあと、涼があたしに聞いた。 恋『今の時間じゃバス待たなきゃいけないからなぁ.. 歩いて駅まで行く!』 あたしは答えた。 すると、 涼『じゃあ俺も歩いて行く! 本当は快の家に送ってもらうつもりだったんだけど、歩いて帰るね!!』 と言ってくれた。 あたしは笑顔で『うん!』と答えた。  
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