赤い空の下で

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あたしはしばらくの間、泣いていた。 今、涼が目の前にいるという事実が信じられなくて―… 涼の温もりがある、ということが信じられなくて―… でも、 『涼??』 と呼ぶと、 『なに??』 って言ってくれて。 ここに、涼がいる。 ということを実感する―… 涼は、ずっと泣いてるあたしを、 ずっと抱き締めていてくれていた。 嬉しくて嬉しくて.. 今までの辛さが嘘のように、 今までの不安が嘘のように、 嬉しくて、 あたしは幸せで、泣いていた。 涙が出るのは、悲しい時だけじゃないんだね?? あたしは今―… 【幸せ】で、泣いてるよ―…  
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