第1章 ギルド

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 刀の口金(くちがね)が奏でた澄んだ音色が、美しい余韻を残しながら洞窟内に染み込む。 ――――ボゥッッ!!  直ぐ様、何かが燃えるような音を聞こえてくる。  リザードドラゴンのその巨躯は、青白い焔に包まれてた。  どこかドロリとした、粘り気のある炎。  全身を余すとこ無く炎が包み込み、数秒後には微細なポリゴンの欠片となって爆散する。  飛び散った欠片が空洞の全域を淡く照らしながら、直ぐに跡形もなく溶け消えた。  青年の後方へと控えていたメンバー達は目の前の光景、そしてたった今起きた戦闘の衝撃に身体を硬直させていた。  青年は視界の右上に表示された"戦利品Box"――ボスモンスターであったリザードドラゴンのドロップアイテムを一瞥。  そして一刀の元で龍種を葬った青年は、惚けたように見つめてくる依頼主達へと向き直る。  青年が振り返っても依頼主とその仲間達は、ただ惚けたように――いや、若干だが呆れ混じりに見つめていた。  感嘆、瞠目、驚愕。  それは彼等の内心の狂騒を示す、無言の祝福にも捉えられる。 『あれ……? 何だこの反応……?』 『フム……確か今回の依頼主は、うちのギルドに依頼したのは初めてではなかったか――?』  低く落ち着き払った、その声を聴く者に果てしない年輪を重ねていること思わせる声音。  男の思考を読んだかのように、低く落ち着いた声が大気を震わす事なく、青年の頭の中に直接響き渡る。 『あぁ……なるほど、ね――』  青年もまた、声なき声で応えた。
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