1:カラン、コロン。

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誰かと来たのか、はたまた1人で来たのか分からないけれど、石段の下に広がる祭りの光景を楽しそうに眺めていた。 これはチャンスってやつ? 俺は静かに隣に腰をおとした。 「1人で来たの?」 声を掛けたのは俺じゃなくて、浴衣の女だった。 近くで見ると、肩くらいの長さがある髪が僅かに風で揺れている。 薄水色の浴衣が更に涼しげに見せていた。
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