プロローグ‐Re:Birth‐

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「今年は兄さんのクラスじゃないですか。そんな敵意丸出しでどうするんですか」  朝食を食べ終えた伊織は溜め息混じりにそう呟き弁当箱をキッチンから奪い去ると「私、今日は風紀委員があるので先に行きますね」と言い残し、そそくさと家を出て行ってしまう。 「そう言われてもなぁ……」  取り残された幸介は、伊織には絶対に分かるまい、と溜め息を零し、しばらくの時間を開けて伊織の後を追いかけるように家を後にした。       †  学園へと続く道は並木道で、春になれば桜が咲き誇る。恋人達の絶好のデートスポットとして学級新聞に掲載された事もあり、「新入生が携帯で写真を取るか否かで日常生活が充実しているかどうかの分類分けは可能である」という先輩の提言はますます至言であると幸介はつくづく思うのだった。 「おう幸介!」  並木道ももう終わり、そろそろ正門が見えてきた頃、幸介の悪友、雑賀正芳が校門脇から顔を覗かせる。 「なんだ、ただの変態か」 「変態とはなんだ、変態とは」  そんな正芳を変質者と一蹴し、幸介は先を急ごうとした。しかし、正芳は進路を妨げるかのように前に立ちふさがり、「いいか」と、わざとらしく咳払いをした。 「よくない」 「待て待て待て待て! これは耳寄り情報なんだよ」
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