初等部入学

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カイ「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!『アースボール』!!!」 バカ(カイ)が手を突出し目の前で叫ぶ。 そして手の上には巨大な岩が.....できたりはしない。いやむしろ変化なし。 というか顔が必至すぎて怖い。 ロイス「うるせぇ」バシ カイ「痛!」 ロイス「静かにやれ。そしてかっこつけてないで詠唱しろ」 今は初等部の魔法実技の授業で屋外の演習場にいる。 俺たちは初等部5年になりやっと魔法を実際に使えるようになった。 といっても初級魔法の簡単なものしかやってない。 カイ「いや詠唱しない方が気合入って成功するって」 ケイト「結局できてないじゃない。先生に言われた通り詠唱しなさいよ」 魔法を使う際には『詠唱』と『魔法名』を言う必要があるわけだが、別に『詠唱』は必ずしも必要はない。 イメージがしっかりできていて魔力量が足りていれば『詠唱破棄』と言って『魔法名』のみで魔法を使える。 もちろん、難易度は上がるし完成度が落ちる場合がほとんどなので威力も下がる。 当然魔法を使い始めたばっかのカイは『詠唱破棄』なんて高等技術は使えない。 カイ「詠唱してもできなかったんだから詠唱なしでもかわらないだろ! ケイトだってどうせできないんだろ」 訂正、詠唱ありでもできない。 ケイト「できるにきまってるでしょ 雷よ、ここに集い集まれ『サンダーボール』」 ケイトの手に野球ボールくらいの雷の球ができる。 放電を続け、形が不安定で揺らいでいるが始めたばかりにいてはすごい方だ。 ケイト「ふふん。どうよ」 カイ「く、くそ。ニアは俺の仲間だよな」 ニア「ごめんね私もできるんだ。 風よ、ここに集い集まれ『ウィンドボール』」 ニアの手には風の球。 ケイトのサンダーボールより形が安定して、綺麗な球になっている。 ロイス「へぇー綺麗な球だな」 ニア「えへへ。たまにお父さんに教えてもらってたんだ」 頬をかくニアはなかなか可愛いな、うん。
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