22人が本棚に入れています
本棚に追加
――八年前。
「さ、あかりちゃんもちゃんとお別れしなきゃ」
「……」
「あかりちゃん、バイバイ」
彼から聞いた最後の言葉は別れの言葉だった。
あまりにも突然な別れに、私は後を追いかけた。
「待ってぇ!」
でも、その言葉は虚しくあたりにこだまするだけで、彼を乗せた車はどんどん離れて行った。
私は、その日から何日も泣いていた。ずっと一緒にいられると思っていたから。伝えたい事も告げられず、さよならの言葉さえちゃんとかけてあげれなかった。
最後の最後で、可愛くない子だって思われちゃったかな。
そう思うと、今でも胸の奥が苦しくなる。
だって、私は彼のこと、本当に大好きだったから。
最初のコメントを投稿しよう!