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『私は、無力だ――』
雨に打たれていて、瞳が流している涙なのか雨なのかは、分からない。
この力は、なんのために――
1人の少女は、寄りかかっていた壁に血が流れるまで拳を叩きつけた。
その瞳から窺えるのは、
憎しみと、悲しみと、怒り。
人間は欲が強い―――
欲に捕らわれた人間の瞳は、醜い。
拳から流れる血は雨と一緒に身体を伝って地面に落ちていく。
そして、私の心も。
深い底へと、深い闇へと。
憎しみと怒りを残して、
すべての心を下に落としていく。
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