理想の主人公像、其の弐

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次に指を差されたのは女。 よく見てみれば、この前助けたクソアマだった。兵器を持っていたのならこの前の俺への反応も頷けるが、なら何故自分で切り抜けなかったのか。気になるところではある。 「南芦華(ミナミ アシカ)だ。所持兵器はホレリングという指輪で、親をはめた方に、子をはめた方が惚れる」 敵は二人いたからな。役に立たないわけだ。 最後はおっさんだった。顔に小さい切り傷の痕が大量に残っている。 「管数昭太郎(クダカズ ショウタロウ)。こいつの兵器はキズトレールとヤキツクース、それとオコリタガールだ」 「オコリタガール……!」 断じてふざけているわけでは……いや確かに兵器の名前はふざけているが、これは七つの大罪シリーズといって、身に付けているだけでとてつもない効力を発揮する代物なのだ。 「それは、なんともまぁ……」 「欲しいんだな」 俺が言い淀んでいると、篠田が心情を言い当てた。 確証は無いが確信を以て発された言葉。その言葉に間違いはない。 かといって完全に俺の思惑と合致したわけではないので、訂正しとこうかな。 「正確には、俺が使えるようにしたい、かな」 「……お前、ホシガールを持ってるのに」 「わかってる」 焦りを孕んだ篠田の言を、俺も同じく言で制した。 真っ直ぐ、相手の目を中央に据えるように篠田の顔に視線を集中させる。 「持ってるから、欲しいんだ」
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