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その後2人は会話を交わさないまま歩きつづけ、ようやく涙の湖にたどり着いた。
「ここね……」
「ふぅぅ……色々疲れたっす……
休むっす…………」
いちこは大きく溜め息を吐き木陰に腰掛けた。
桃縁眼鏡はあたりを見回しアリスの姿を探す。
「ブッチー……よくそんな動力あるっすね……」
「あなたが運動不足なだけよ」
「失礼っすね!!これでも会社から漫画先生の家まで走りまわってるっす!!体育でしか走ってないような小学生に言われたくないっす!!!」
いちこは残された力をふりしぼって叫んだ。
それに全く構う様子もなく桃縁眼鏡はアリスの姿を探す。いちこはまた深く溜め息を吐いた。
「湖……っていうけれど、直径1メートルくらいの水溜まりがたくさんあるようにしか見えないわね」
「あーっ、誰かと思えば小学生と萌えてたお姉さんじゃないか!」
「?」
いちこと桃縁眼鏡が声がしたほうを振り向くと、自分たちが来た反対方向から、ラフな格好の男とパンキッシュな格好の女が歩いてきた。
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