夏休み前

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昨日の子可愛かったなー、なんて思いながら空を見る。風になびく髪が綺麗だった。目が綺麗だった。 いつもそんなに授業なんて聞いてないんだけど今日はそのいつも以上に聞いていない俺がいた。ノートすらとっていない。とる気にならない。 今日また行ったら会えるかなあ、なんて思いながら俺は机に顔を伏せた。もし会えたら名前、聞いてみよう。  ― ― ― ― ― ― ― ― ―  部屋の窓からボーッと空を眺める。昨日の男の子が気になるなる。名前なんていうんだろう、何年生なんだろう、また、来てくれるかな、なんて。 力強い目、風になびく髪の毛。また会いたいなあ。 そろそろお昼だしご飯でも食べるかー。私は台所に向かうため階段を降りようとした時、 ~♪~♪~♪ 携帯が鳴った。ディスプレイにはお母さんの文字。メールだ。 どうやら仕事が忙しくて帰ってこれないらしい。まあ別に良いけどね…いつもの事だし。 お父さんも今日は残業で遅くなるって言ってたから晩御飯は私一人で食べることになりそうだ。もう馴れてしまった。 階段を降りて台所へ行く。鍋にお湯を入れて火にかけた。 ― ― ― ― ― ― ― ― ―  「ふう…」 お昼ご飯も食べ終わったし洗濯もしたしお掃除もしたし…うーん、することがない。 とりあえず外に出て、木陰に座る。横で猫ちゃんも涼んでいるようだ。 ざわざわと木が風に吹かれて揺れる。ああ気持ちいいなあ…なんて思いながら私は瞼を閉じた。
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