メランコリィ

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6月。午後16時。クラスの皆が帰った後の、放課後の薄暗く涼しげな教室。 窓の外は生憎の雨。 生憎とは言っても、日頃のいろいろな思いによっていつの間にかどす黒くなった心……怒り、悲しみ、ちょっとした妬みだったりと、そんな感情たちに侵食された心を、少しでも洗ってくれそうな……そんなひたひたとした優しい雨。 この少しひんやりするぐらいの涼しさが、心地いい。 そんな心中で、私は彼に対して口を開く。 「あの、さ。最近クマ…できたね。」
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