メランコリィ

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ん?と振り向いた彼の目の下には、以前よりも明らかに、はっきりと濃くできたクマ。 「疲れてるんでしょ?たまにはサボってもいいんじゃない、塾。」 彼は頭がいい。学年でも3位以下になったのを聞いたことがない。中学2年頃からは大体いつも1位。 それだからか、受験日に近づいて来ている今、日に日に親も物凄く厳しくなっているらしい。ここまで頑張れたのならいい高校に入って欲しいのだろうが、押し付け過ぎるのは彼の気が滅入るだろうし、かえって逆効果なんじゃないかと思う。 彼はいつも学校が終わったら、即塾へ向かう。塾から帰ったら宿題と復習。それから何だかんだしていると深夜2時だそう。 本人が楽しいならまだしも、日に日にクマが濃くなって、今なんか顔も真っ白だ。このままじゃ体を壊してしまいそう…。
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