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「別に疲れてなんかないよ。部活引退してから、この生活リズムにもやっと慣れてきたし。模試もあとちょっとだし。ありがとう、平気だよ。余計な心配掛けさせちゃったね」
彼ははにかみながらそう言って、参考書を取り出す。
彼が鞄に忍ばせていたその参考書が、ここ数週間で見る度にボロボロになっていく様を見てきた。
取り出した瞬間、私はすかさず口走った。
「たまにはうち来る?今日塾休みなんでしょ?私も休みだし、一緒に復習しようよ。ダメならいいけど、課題見て欲しいしさ。幼なじみの私の家ならお母さん怒らないんじゃないかな。きっと付き合ってることも知らないだろうし…」
私たちは保育園からの幼なじみ。そして、いつからかは意識していなかったけれど、付き合っている。けど、私たちは中3で受験生だ。これから先を左右する、とっても大事な時期。どちらの親もいくら幼なじみとはいえ交際していることを知れば、怒り狂う姿が目に浮かぶ。
…お小遣い、減らされるだろうなぁ…
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