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想助は住宅の合間を縫う路地に降り立ち、頭上を見上げる。
やがて牛頭の怪物がその全てを光の粒子となって消え逝くまで、じっと眺めた。
「想ちーん、お疲れ!」
路地の向こうから声を寄越され、視線を下ろす。
暗闇から歩いてくるシルエットが二人いる。近付いてくる聞き慣れた声の主が、間もなく道端の街灯に照らされてその姿を現した。
「今日もバシッとキメちゃったね。さすが」
気さくに笑いかけてくるのは幼い頃からの友人であり、同僚の六条 剣時だ。灰色がかった丸刈りと真ん丸眼。
いわゆる童顔と呼ばれるやつで、こうして笑っていると中学生――下手をすると小学校高学年に見えなくもない。
おまけに背もかなり低い。ただし、これは彼にとって禁句だから、面と向かって言ったことはない。
【僕として、は、もう少し、剣時クンに手柄、があって欲し、いものだけど……】
そう呟いたのは剣時の隣に控える、天貝 健人である。
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