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「そうだよ、健ちゃん。ボクは気にしてないからさっ。むしろボクは嬉しいぐらいだもん」
【ウレシイ、です、か……?】
「うんっ。だってこうしてさ、想ちんと肩を並べて戦えてるんだもん!」
剣時の笑顔の眩しさといったら、曇天も瞬く間に快晴となりそうな勢いであった。そんなものを向けられたら、想助だって心を動かされる。
「……剣時。済まなかったな」
「うん?」
「健人もだ。僕が不甲斐なかったばかりに、お前達には今まで迷惑かけた」
頭を下げる。
思えば、こうして面と向かって謝っていなかった自分は馬鹿だ。想助が三週間前に東雲という相棒を得るまで、悪霊を退治してきたのは剣時に他ならない。
健人にはつっけんどんな態度ばかりとっていた。彼にはなんの非もないのに、自分が気持ちを律することに目を背けてきたせいで、嫌な思いをさせたことだろう。
申し訳なく、思う。
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