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「ありがとう……」
【はっ。そうそう、気にするこたぁねぇんだよ、想ちん】
「煩い。というかそのあだ名で呼ぶんじゃない」
東雲の傲慢な一言で雰囲気はぶち壊しだった。
相棒の関係になって三週間が経つけど、未だにこの少年とは一心同体、阿吽の呼吸とはいかない。
元々、出会った頃から我が強く、孤高で在ったが為に、こればかりは如何せんともし難かった。
「ま、楽しいお話もそこそこにして、帰ろうか」
時刻は深夜に差し掛かったところ。早く帰って睡眠をとらなければ、明日の学業に支障を来すのは明白である。
自分達とて、本業は学生なのだ。想術師にかまけて学業を疎かにする訳にはいかない。
「そうだな。じゃあ、剣時。また明日」
「うん、また明日ー」
【では、想助、クン……しのの、めクン……】
【器用に名前で区切ってんじゃねぇよ】
そんなこんなで、今日も一日が終わろうとしていた。
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