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仕方なく背後へ振り返ると、案の定だ。見慣れた姿の見慣れた相方が、見慣れた意地悪い笑みでこちらを見下ろしている。
白いTシャツに細身のジーンズに収まったスラリとした肢体。健康そうな肌の色で、顔立ちは綺麗でいてお茶目な内面が見え隠れしている。ポニーテールがチャームポイントとは本人の弁。
少女と呼ぶには大人びていて、女性と形容するにはまだ幼い。歳は確か、自分の三歳上だったか。
「ウチがご機嫌に見える? アホなこと言わんといて」
ぴしゃりと言ってやった。いちいち構ってる暇はない。出発は明日に迫っている。二日間家を空けるのだから、忘れ物が無いように注意しなければ。
【連れないなー。そんなこと言わずに構ってよぉ】
「ウチは荷造りで忙しいの! 見たら分かるやろ?」
【だって私はそんなの必要ないしー】
頭の後ろで手を組んで、不満をたらたらとこぼす相方である。これじゃあどっちが年上か分かったもんじゃない。
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