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【ついでに胸の成長も前途多難だ】
「大きなお世話や!」
くっつく茜を蹴り飛ばし、凛華はようやく作業に戻った。セクハラ女のせいで余計な時間を使ってしまった。
こうなりたくなかったから相手にしないようにしてたのに、結局茜のペースに振り回される形となったのが悔しい。ついでに、胸の傷も深い。
(なんやねん、自分がちょっとデカイからって偉そうに……)
正直言ってかなり羨ましかったが、本人の前で口に出せばどんな風にからかわれるか分かったもんじゃない。羨望の混じった眼差しを相方の豊満なバストに向けて、次に自分のそれを見ると、ついため息が零れた。
そこでふと、視線の気配を感じて、凛華は顔をあげた。
茜がニヤァ……と粘っこい笑みで見下ろしてる! しかもわざわざ胸を見せつけるように腕を組んで!
「ししし死ねアホ――――っ!!」
かくして。
五藤(いつふじ) 凛華――五の数字を戴く想術師の夜は、更けていった。
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