535人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
「おっと!これはご丁寧にどうもっす!某は千富橋彩夏の妹の千富橋 冬理(セントバシ トウリ)と申しますっす!冬理と呼んで下さいっす!以後お見知り置きをっ!!」
俺の自己紹介に対し、冬理と名乗る女の子は何故か両足を揃えたまま右手を左胸に掲げ、左手を背中に置いた状態で返事を返してきた。
……流石は彩夏の妹。独特の雰囲気を持ってるな。しかし某って…………
オイラとか某とか、千富橋家では一人称を普通にしない掟でもあるのか?
「……あれ?このネタ分からないっすか?割りと鉄板なんすけど敬礼ポーズ……あっ!駆逐してやる!!のほうがよかったっすか?」
「いや、何で自己紹介で駆逐されるんだよ」
て言うかネタだったのか今の……
「……むっ!何か来る…………」
「…………ん?えー……」
そう言った冬理の視線の先を追って俺もそちらを見てみると……
「そぉぉぉぉぉぉぉぉうぅぅぅぅぅぅぅぅいぃぃぃぃぃぃぃぃちぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
圭吾が般若のような表情でこちらに走ってきていた。
まぁ、何でキレてるのかだいたい分かるけど……
「朝から女子と校門でイチャイチャするとかうらやまチクショー!!」
圭吾はスピードを緩めることなく俺の所まで走ってくると、そんな事を言いながら飛び掛かってきた。
やっぱりか……いや、別にイチャイチャしてないんだが。
最初のコメントを投稿しよう!