キャンドルファイヤー

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「ごめん、待った?」 「ううん、今来たとこ……って恥ずかしいからやめようこういうの!」 駅前である。 二人はいわゆる待ち合わせ、をしていた。 そして今からいわゆるデート、というものをすることになっている。 本日、十二月二十四日。 クリスマスイブである。 「っていうか学校から一緒に来れば良かったんじゃない……?」 「こういうのは雰囲気が大事なの」 翔太とレイ。 二人は退院祝いを兼ねて、二人で遊ぶことになった。 戦いの最中、翔太からも想いを告げ、晴れて恋人同士となった二人の初デートでもある。 予定は決まっていた。 街の散歩のようなものだ。 が、学校はまだ終業式を明日に控えて、テスト返却という授業を本日こなした。 放課後すぐに待ち合わせたため、街では同級生との接触があるだろう。 それを避けるため、夜まで街の外での予定を用意してあった。 「じゃあ……行こっか。はい切符」 「あ、ありがとう」 二人並んで歩く様子すらぎこちなく、改札を通って最初の目的地映画館を目指した。 特に観たい映画があったわけではなく、「デートといえば……」の自問に出てきた答えがこれしかなかったという悲しい結果によって決まったことだ。 これだけで終わらせるわけではない時間潰しの要素が強かったため二人の間で採用された。 そんなわけで、電車待ちをしているが。 (うおおお緊張する! どう接したらいいのか分からない何話していいのか分からない!) 自分を見失う翔太と、 (翔太緊張してるみたい……まったく。別に変に意識する必要ないのに……) 呆れたように心の中で呟いて平静を装うものの、膝に緊張が現れているレイである。
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