キャンドルファイヤー

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この二日前。 日付で言うと、十二月二十二日のことだ。 繋がらなかった協会との電話がやっと通じた。 それで聞いた異常事態の原因は、想像以上に深刻なものだった。 「この駅前まで、毎晩迎えに来てたんだよね」 「ああ、サッカー部やめて、格闘技を習い始めてからな」 協会本部への、マオーと上官一人の侵入、侵攻。 上官は仕留めたものの、本部の施設と人員に大損害を受けた。 「通学路か……」 「ここでも色々あったね。喧嘩したり」 同時に、一気に世界情勢が悪化した。 何者かによるなんらかの手が加えられたと思われる、複数国家間での対立悪化。 「このゴミ箱のとこだっけ……最初に会ったの」 「ああ、レイが空き缶投げつけてきたやつか」 協会と人類全体に同時に起きた危機に対し、会長ケーニヒは遊撃隊を本格的に活動させることを決めた。 今や、翔太という戦力は一兵卒のレベルを遥かに越え、戦局の鍵を握りうるほどになっている。 華那からのその進言を受け、敵の大戦力に対抗、撃破するための援軍要員として起用するのだ。 「この路地で、俺は初めて否獣に出会ったんだ。で、龍一に助けてもらった」 「トラウマになってたやつだね……」 当然、世界を転々とすることになる。 これまでのように、学校に行き続けることは不可能だ。 「レイの、前の家……」 「もう跡形もないね……」 翔太はこの街を出る。 その最後に、思い出の多いこの街を回る。 これがこのデートの、裏の意味だ。
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