9人が本棚に入れています
本棚に追加
??side
カチャ
弓に矢をつける
スッ
型のまま弓矢を上げる
キリリ…
矢を引いて…
放つ!!
バシイッ!!
「………」
水平線の上に光が指す頃、森の中で一人の和装の男が弓矢の鍛練をしていた
絹のような滑らかな金髪、鋭い蒼い目
100人中100人が見返るだろうその容姿
ただ一つ、残念なこの男
「(………●ックスしたい)」
根っからのムッツリであった
一通り鍛練を終えたのか、弓矢を背負いくるりと反対方向に向かって歩き出す
しばらく歩いていると目の前に大きいでは言い切れないほどの屋敷が建っていた
男は屋敷にするりと身を滑らせて入っていく
長い長い絨毯の上を音も立てず歩く
一定の間隔で扉があるがどれにも立ち止まらず進んで行く
しばらくすると今までに通ったどれよりも大きく豪華な扉の前に立った
男は迷わず扉の取っ手に手を掛け引いた
扉と同じく中の部屋も絢爛豪華な家具や絵画で埋め尽くされている
男は何か飲むものを取ろうと台所へ足を運ぼうとした
が、
カタン
「!!」
何処からか音がしてバッとその場から飛び退き、背中に背負っていた弓矢に手を掛けた
しかしそんなことは杞憂だった
音の正体は自分よりも年下だろう男の子
肌触りが良さそうな上質なシャツとズボン、しかしあちこちに引っかけたのか破れている、服から見える手足などにも引っかけて血が滲んでいた
男は警戒しながら男の子に近づく
男の子は眠っているのか規則正しく肩を上下させている
男は顔を見ようと髪をかき上げた
「!?」
その瞬間稲妻が走った
最初のコメントを投稿しよう!