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「はぁ……はぁ…ッ」
皇子様は走りました
王様やお城の皆や国民が気になってしょうがないですが今は走ることしかできません
走って走って走って走って走って走って逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて駆けて躓いて転んで這いつくばってよじ登って…
また走っての繰り返し
懸命に振る手の中は王様から渡されたペンダント
それを握ると何故か自分の知らない大きなお城が頭に浮かんできました
そこに行かなければ、と足が勝手に動きます
皇子様は思いました
何故自分達がこんな目に合わなければならないのか?
何故自分だけ…?
俺が何かしましたか…?
俺が…
「生きてちゃいけないのかよ……ッ!!」
その呟きは誰にも聞かれず、皇子様が草木を掻き分ける音にかき消されました
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