初出勤

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しごとば、とやらに到着した。 到着するまでに様々な苦労があった。 少し語らせて欲しい。 決して文字稼ぎではない。 まず外を歩く。 此奴は無神経に歩くので振り落とされてしまわないか 不安で仕方なかった。 突然止まったかと思うと今度は「ばす」という大きな箱に乗り込んだ。 中には此奴と同じ形だが、また違うような印象の人間がたくさん居た。 此れが仲間に聞いていた「婆」というものか。 なかにはまだ婆よりもずっと未熟な者もいた。 私は婆よりも未熟な者に惹かれた。 しかし此奴は選りにも選って婆の隣に座ったのである。 おはようーと挨拶したあと、 あろうことかこの婆は私の姿をみるなり、 きゃああ、と素頓狂な声を上げた。 失礼な、私は亀治郎だぞ、代々受け継がれてきた由緒正しき家系なn・・
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