初出勤

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なんだ・・私は空を飛んだのか・・ 亀に翼など生えていない。 ということはなぜ私は宙を舞っているのだ! 婆か! 私は婆に振り払われたのだ!なるほど… いや、そんなことはいい、もう地面へと着地してしまう! 甲羅が割れてしまっては十三代目で家系は途絶えてしまう! 最悪の事態だけは免れたい、しかし私は亀なのだ! 受け身など取れるはずもない・・此処で我が生命、尽きてしまうのか! 痛っ・・くない・・ 私は恐る恐る背中をみる。 甲羅が・・割れていない・・ 顔を上げるとそこには「此奴」がいた。 此奴、ほっとしている。 まさか、私を助けたのか・・! 私を抱えている両手の先にある肘からは うっすらと血が滲んでいた。 馬鹿め・・ だがこの一件で私は決意した。 この人間にいつでも輸血をしてやろうと。
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