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「…。でもどんなウソなんですか?」
「この、病滅菌は…、笹倉の手によって作られた物ではないからです。」
「ウソぉ!?」
しかし、御倉は首を縦には振らない。
「おいおい…、マジかよ。俺、結構あの人のファンだったのに…。」
「…。なぜ、ウソがあると言い切れるんですか?」
谷川は冷静だ。
「私の友人に田村圭という娘が居るんですけど、その娘、この笹倉の研究チームに所属しているんです。この病滅菌は、本当は圭が生み出した物で、それを笹倉が、自分の発明と言い張ってるんです。」
「…、その事をアナタは田村圭から相談されて、」
「何とかしようと思ったんですけど、私じゃ何も出来なくて…、それでここへ。」
「なるほどね。」
「いいじゃん、いいじゃん。これが本当なら大スキャンダルですよ!。」
「スキャンダル…、ねぇ。」
「あの…、お願いします。笹倉のウソを暴いてください!。」
「…。ま、俺たちには依頼を断る事はありませんよ。その相談、お受けいたします。」
「本当ですか!?」
「我々にお任せ下さい。必ず笹倉のウソを暴いてみせます。」
「宜しくお願いします!。」
こうして、谷川相談事務所の仕事は幕を開けた。
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