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笹倉の居る、伏魔殿(高そうなビル)は中もやはりキレイであった。正直、この二人、特に菊地にはまったくもって場違いな所だ。
「で…、どうするんですか?」
菊地にもここが自分には場違いな所というのは分かっているようだった。なるべく目立たない様に、菊地は谷川の後ろについて歩いている。足音も合わせて。
「おい。電車ごっこじゃ無いんだぞ。」
「そうは言っても…、俺たちムチャクチャ浮いてますって!」
「浮いてるのはお前一人だろ。俺は120万する、はる○ま製の最高級スーツだぞ。しかもオーダーメイド。」
「くそ…。親の貯金で買ったヤツなのに…。」
「出世払いだよ。」
「同じ意味で詐欺って言葉がありますよ。」
「…。何だと?」
菊地に得意の左ストレートをお見舞いしようと谷川は拳を強く握ったがすぐにそれを解いた。
彼らが回りに居た人達から注目の的にされてしまっていたからだ。
谷川は菊地をトイレに引っ張って行った。
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