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「ハァ…、一先ず落ち着こう。服装ごときで口論してても始まらない。」
「分かりましたよ。一時休戦だ。」
菊地は、ご自慢の癖ッ毛を捻りながら洋式便器の上に座り込む。
「で、具体的には?」
「なりきりだ。」
「なりきり?」
「演技が必要だがな…。お前は…、う~ん。駄目だ。やっぱチャラ男だわ。」
「…。」
「その髪で怪しまれない職業…。」
谷川は考えた…。
二分という気の遠くなる時間の末、彼が出した答えは…、
漫画家だった。
「は!?、漫画家!?」
「漫画家はどんなにチャラ男でも、ブスでも、火星人でも、絵を描けて、話を造れればオールOKなんだ。変に着飾る必要ないし、完璧だろ。俺は担当者として同席する。」
「なるほど…。それなら怪しくない!。やっぱ流石っすよ!先生!」
「フハハハ!怖い…。自分の才能が怖いな。」
「よし。行きましょう。」
何だかんだで仲の良い二人は、早速ロビーへ、繰り出した。
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