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えっ…?
展開の早さに頭がついていかない。
体育館の壁に押し付けられて、佐藤の両腕に閉じ込められた体勢のあたし。
目の前には勝ち誇ったような佐藤の顔。
ちょっと!?
なんなのこれは!?
あたしがテンパっているうちに佐藤の顔はどんどん近づいてきて、佐藤の息があたしの前髪を揺らしている。
「い、慰謝料…払うから、は、ははは離して」
テンパりまくって噛みまくりのあたしの必死の抵抗も、佐藤には通じないようで。
「慰謝料なんて求めてねぇし」
「は…?」
「金はいらねぇって」
そう言うと佐藤は、あたしの耳に唇を寄せると、息を吹きかけるように囁く。
「一週間、俺の言うこと聞けよ?」
は?
はいーっ!?
「ど、どどど、どーゆーこと!?」
「一週間、俺専用の召し使いになれってこと」
召し使いーっ!?
「それって…」
「俺が呼んだらすぐ来る。俺の言うことはなんでも聞く。そういうことだよ」
な、なにそれ!?
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