罰ゲーム 1日目

2/14
前へ
/247ページ
次へ
体育館がにぎやかになる朝練時間。 それぞれの部のかけ声が混じりあって、 体育館じゅうが熱気に包まれるこの時間は、あたしの朝を爽やかにしてくれる。 「はぁ…」 なのに朝から10秒に一回の頻度でため息をついてるのは、疲れなんかじゃない。 佐藤陸との昨日の出来事。 『一週間、俺の言うこと聞けよ?』 あたしはいわば、ヤツの奴隷、ってわけで。 それだけでなく、ヤツが去り際に発した意味深な言動。 『さっきの約束、どういう意味か分かってんの?』 どうやら単なるパシリではないようで。 いったいどんな恐ろしいことをされるのかと、内心不安なのだ。 だけど、たったの一週間だけの辛抱!! たったの7日だから!! それくらいならきっと耐えられる…はずだと自分に言い聞かせながら、ぼーっと体育館の天井を見上げていると、 「どしたの…陽菜!?朝から変だよ!?」 と実咲子に本気で心配された。
/247ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加