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体育館がにぎやかになる朝練時間。
それぞれの部のかけ声が混じりあって、
体育館じゅうが熱気に包まれるこの時間は、あたしの朝を爽やかにしてくれる。
「はぁ…」
なのに朝から10秒に一回の頻度でため息をついてるのは、疲れなんかじゃない。
佐藤陸との昨日の出来事。
『一週間、俺の言うこと聞けよ?』
あたしはいわば、ヤツの奴隷、ってわけで。
それだけでなく、ヤツが去り際に発した意味深な言動。
『さっきの約束、どういう意味か分かってんの?』
どうやら単なるパシリではないようで。
いったいどんな恐ろしいことをされるのかと、内心不安なのだ。
だけど、たったの一週間だけの辛抱!!
たったの7日だから!!
それくらいならきっと耐えられる…はずだと自分に言い聞かせながら、ぼーっと体育館の天井を見上げていると、
「どしたの…陽菜!?朝から変だよ!?」
と実咲子に本気で心配された。
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