罰ゲーム 3日目

21/21
354人が本棚に入れています
本棚に追加
/247ページ
都合のいい解釈だと怒られるかもしれない。 だけど、そう信じたい。 …信じる。 「おまえは晴樹さんになる必要なんてない。安西は安西のバスケをすればいいって俺は思…」 佐藤が言葉をそこで止めた。 な、なに…? 「ったく…泣くなよ」 え…? あたし、泣いてたの…? 「嘘…」 自分の頬に触れ、温かいものが流れているのを確認する。 泣いてたんだ、あたし…。 「おまえに泣かれると困るんだよ…」 佐藤は眉を下げ、髪をくしゃりとかきむしると下を向いた。 「はやく泣け」 はい…? さっきと言ってること違うんですけど…。 「俺、今見てねぇから。今のうちに泣け」 あ、そゆこと…。 佐藤の部屋で、佐藤の隣で。 あたしはしばらく泣いた。 まだ完全に晴にいちゃんの死を乗り越えられた訳じゃない。 だけど、背負ってきたものは少しだけ、軽くなった…。
/247ページ

最初のコメントを投稿しよう!