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◇
「お、終わったぁぁぁ!!!!」
そしてそれから3時間後。
安西陽菜は宿題を終えましたっ!!
時刻はすでに午後11時を回っています。
我ながら頑張ったなぁ…。
ルンルン気分で佐藤の部屋から帰ろうとすると…。
「ちょっと待て」
玄関で佐藤に引き止められた。
「いや、帰るから」
さすがに今日はもう限界。
これで家事しろ、洗濯しろ、掃除しろ、なんて言われたら、あたしは過労死するよ…たぶん。
「送る」
は…?
佐藤さん、いまなんとおっしゃいました?
「送るから待ってろ」
い、いま『送る』って言った!?
それは勘弁だ。
コイツと一緒に歩いてるとこを誰かに見られでもしたら…。
コイツとの噂が広がるなんて御免だ。
「いや、ひとりで帰れるし」
「もう夜中だから」
「いや、あたしそんなにか弱くないんで。強い女なんで。大丈夫っす。遠慮しときます」
身振り手振りで必死に断っても。
「いや、送る」
ヤツは引かない。
「もう帰るね、お母さん心配してるし」
あたしは強制的にひとりで帰るを選択。
これで、あたしの勝ち…
と思いきや。
「送るから。これ命令」
佐藤に無理矢理押し切られた…。
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