罰ゲーム 4日目

9/9
前へ
/247ページ
次へ
お菓子を選び、会計を済ませる。 ホントに佐藤がおごってくれました。 気前いいな…。 けっこう量買ってたのに。 「ありがとね」 ビニール袋も持ってくれて、なんとなくいつもより優しい佐藤に、あたしはお礼を言った。 「安西がお礼言うなんて…気持ち悪っ!!」 …前言撤回。 やっぱりムカつく。 「お菓子ごちそうさまですぅ」 「うわ、なにその嫌味な言い方!!」 「べっつにぃー」 「可愛くねぇヤツ」 「ふーんだ」 そんな子供みたいなやりとりをしているうちに、あたしのアパートの前に到着した。 「ここが安西ん家かぁ…ちっさ!!」 「ぶん殴るよ」 たしかに小さいけれども!! あんたん家の2分の1だけど!! あたしはここに、家族3人で住んでんのよ。 「じゃあな、安西。また明日」 「あ…また明日」 「お菓子ちゃんと食えよ!!」 「う…うん、ごちそうさま!!」 「あ、菓子ばっか食ってねぇで勉強しろよ!!」 「余計なお世話っ!!」 佐藤はあははと笑うとあたしの頭に手を置き、くしゃくしゃと撫でて帰っていった。 その手はすごく、あったかかった…。
/247ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加