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お菓子を選び、会計を済ませる。
ホントに佐藤がおごってくれました。
気前いいな…。
けっこう量買ってたのに。
「ありがとね」
ビニール袋も持ってくれて、なんとなくいつもより優しい佐藤に、あたしはお礼を言った。
「安西がお礼言うなんて…気持ち悪っ!!」
…前言撤回。
やっぱりムカつく。
「お菓子ごちそうさまですぅ」
「うわ、なにその嫌味な言い方!!」
「べっつにぃー」
「可愛くねぇヤツ」
「ふーんだ」
そんな子供みたいなやりとりをしているうちに、あたしのアパートの前に到着した。
「ここが安西ん家かぁ…ちっさ!!」
「ぶん殴るよ」
たしかに小さいけれども!!
あんたん家の2分の1だけど!!
あたしはここに、家族3人で住んでんのよ。
「じゃあな、安西。また明日」
「あ…また明日」
「お菓子ちゃんと食えよ!!」
「う…うん、ごちそうさま!!」
「あ、菓子ばっか食ってねぇで勉強しろよ!!」
「余計なお世話っ!!」
佐藤はあははと笑うとあたしの頭に手を置き、くしゃくしゃと撫でて帰っていった。
その手はすごく、あったかかった…。
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