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お母さんは晴にいちゃんからの手紙を読みながらポロポロ涙を流した。
「あの子らしいわね…」
…辛いのは、あたしだけじゃなかった。
お母さんも、ずっとずっと辛かったんだ。
「お母さん、ごめんね…」
「陽菜は晴樹を殺してなんかいないわよ」
「そうじゃなくて…」
「もうやめましょう。しんみりしたような雰囲気は、晴樹が嫌がるわ」
お母さんはごしごしと自分の目をこすると、あたしに笑顔を向けた。
「そうだね」
「笑いなさい、陽菜。晴樹はあんたの笑顔がほんとに好きだったのよ」
「ほんとに?」
「えぇ、ほんとよ。あれはシスコンね」
「お母さん…ひどい」
「ふふ。やっと笑った。さ、ケーキ食べましょう」
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