プロローグ

2/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
セガ暦21XX年。   地球は危機的状況を迎えていた。   エネルギー資源の枯渇。   次世代誕生率の極端な低下。   文明の進歩は頭打ちとなり、技術開発は停滞の一途を辿った。   さらに2000年代に起こった、大規模な戦争で自らの首を締めた地球人類は、その状態から逃れうるためにある計画を生み出す。   それが「ソテル計画」である。   複数の企業と国家政府から結成された新体制「GRF」がこれを主導し、巨大衛星軌道実験施設「エイオース」を建造した。   そして10年後、カイパーベルトで高い増殖性と強力な持続力を併せ持つ、画期的なエネルギー資源が発見された。   「ニュード」だ。   発見者のGRFはもちろん、当時の人類はこの知らせにみな歓喜した。   その想像を絶する危険性に気づくまでは……   ニュードは生活の様々な場面に利用出来ると発表され、事実として無数の実験結果が学壇に並んだ。   実用化まで後一歩というところだった。   だが希望に満ちていたはずの2100年代半ば、多くの者を絶望の淵に叩き込み、または殺し、あらゆる意味で人々に消えないトラウマと呪縛を刻み込んだ「ある事件」が起きる。   エイオース爆発事故である。   よりによって大量のニュードを保管したエイオースの重要地点が何者かによって攻撃され、結果ニュードと四散したエイオースの破片が地上に降り注いだのだ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!