エイオース、という呪い

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今を生きている人間1人1人の背後に、3000を超える霊が立っている。   それが、生者に対する世の死人の数だ。   世の中が誰かの下らない思いつきで始まって以来、1000億もの人間が現れて消えて来た。   その中には、およそ馬鹿すぎてため息しかでない奴もいたし、立派すぎて天国にしか行けないような奴もいただろう。   ああ、俺はそのどっちでもないと確信している。   ところで、1000億という数は10年ほど前、かなりの倍率で加算された。   原因は「あの事故」だ。   爆破事故、いやテロだとか言われてるが。   火花がでかすぎて、起こった時は暗い宇宙に一瞬昼が来たらしい。   「事故」はエイジオ大陸を中心に大被害を出し、人々は収穫祭の麦みたいに刈り倒された。   きまぐれな幸運の女神は、その気になっても人間が突然起こした騒動に対処しきれず、多くの者が運命の車輪の下に巻き込まれた。   この事故で、俺の両親も死んだ。
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