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いや、死者の数より行方不明者の方がずっと多いから、考えてみるとこの言い方は正しくないだろう。
俺たちの両親も一応行方不明者だったから、当時の俺たちは急いで家にとんぼ帰りした。
それがどんなことに繋がるか想像もしないで――
創成の神が破壊目的に存分にその力を発揮した俺たちの故郷は、目を覆う有り様になっていた。
そして、その焼け跡には悪魔が住み着いていたんだ。
『ニュード』だ。
もうみんなも知ってると思うが、ニュードには高い毒性がある。
俺も姉もそれを食らった。
今では、被害を受けた当該地域(大汚染地域)の可住化は絶望視されている。
その後、俺は後天的ニュード耐性保持者として病院を出たが、姉はそうならなかった。
運命は、ふざけたポーカーの勝利者に俺だけを選んでしまった。
10年後、つてを頼ってEUSTに入った俺は、今ではブラストを駆って人殺しをしてる。
新型兵器『ブラスト・ランナー』。
汚染地域だけでしか生きられない耐性保持者にしか、搭乗出来ない最新鋭の機械だ。
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