エイオース、という呪い

4/5

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
いや、死者の数より行方不明者の方がずっと多いから、考えてみるとこの言い方は正しくないだろう。   俺たちの両親も一応行方不明者だったから、当時の俺たちは急いで家にとんぼ帰りした。   それがどんなことに繋がるか想像もしないで――   創成の神が破壊目的に存分にその力を発揮した俺たちの故郷は、目を覆う有り様になっていた。   そして、その焼け跡には悪魔が住み着いていたんだ。   『ニュード』だ。   もうみんなも知ってると思うが、ニュードには高い毒性がある。   俺も姉もそれを食らった。   今では、被害を受けた当該地域(大汚染地域)の可住化は絶望視されている。   その後、俺は後天的ニュード耐性保持者として病院を出たが、姉はそうならなかった。   運命は、ふざけたポーカーの勝利者に俺だけを選んでしまった。   10年後、つてを頼ってEUSTに入った俺は、今ではブラストを駆って人殺しをしてる。   新型兵器『ブラスト・ランナー』。   汚染地域だけでしか生きられない耐性保持者にしか、搭乗出来ない最新鋭の機械だ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加