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気がつくと郵便受けの前に立っていた。
恐る恐る中を覗いたが、中には何も入っていなかった。
俺は大きく一息つくと、家に戻ろうとした。
するとその時――パサッ――いう乾いた音がはっきりと、郵便受けの中から俺の耳に向かって響いて来た。
反射的に振り返り、周りを見わたした。
この辺りは俺の家しかなく、周りには畑と細い道が有るだけだ。
木の一本すら生えていない。
冬が近いこの時期、畑は土の色に染まり、何も植えられてはいなかった。
子猫一匹隠れる場所さえ無い。
それなのに、誰一人見当たらないのだ。
俺は郵便受けの中を覗いた。
中にはやはりあの手紙が有った。
そしてそこには考えたく無い事だが、見たくも無い物だが、俺の思っていた通り、「1」と書かれた紙がそこには入っていた。
・
その日の夜は眠れなかった。
これで二日続けて徹夜だ。
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