第三話  もう限界だ

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ロバが坂道を下り始めると、全てが元に戻った。 サンチョは慌ててロバを降り、坂の頂上に引き返した。 おそるおそる身をかがめて坂の頂上にたどり着くと、ゆっくりとその体を伸ばしてみる。 するとさっきと同じ事が起こった。 サンチョは慌ててロバに飛び乗ると、すたこらその場を後にした。 サンチョは知る由もなかったのだが、その時世界中が大騒ぎをしていた。        ・ そう、世界中は人類の歴史上類を見ないほどの、とんでもない騒ぎとなっていた。 なにせ丁度一センチのずれもなしに高度三千メートルを境にして、そこから上の空気がきれいさっぱりなくなっている事が判明したからである。
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