第三話  もう限界だ

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デッドラインは最初割合ゆっくりと下降していたが、一定の時間ごとに一定の割合でそのスピードをはやめていった。 しかもそれは決して止まる事がなく、このペースでいけば地球上の空気が完全になくなるのも時間の問題と思われた。 そしてデッドラインのスピードの変化に合わせるように、毎回宇宙の彼方から同様のメッセージがしつこいまでに送られて来た。 当然科学者達はこの二つの事を関連づけ、それこそ文字どおり“命がけ”でメッセージの解読にあたった。   ある者は「これは宇宙人の宣戦布告だ」と言い、またある者は「われわれを助ける方法をメッセージとして送っているのに違いない」と力説した。 その中で一人の異端の言語学者が 「ガス代が未納だからさっさと払え、と言っている」 と自信たっぷりに発表したが、誰も相手にする者はいなかった。
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