第三話  もう限界だ

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結局、世界中の科学者達が目に血を入れてよってたかって解読できたのは――オテロントス――と言う単語ただ一つだけである。 おまけにその――オテロントス――という言葉の意味は、誰にも皆目見当がつかなかった。 そのうちに地上は完全にパニック状態に陥った。 国や政治や経済はもちろんのこと、警察などの組織も全て崩壊した。 人々は奪い合い、殺し合い、数箇所では小さな戦争までもおきていた。 独自に解読を続ける科学者もいたが、マスメディアの停止により――と言うより誰一人まともに働かなくなり――それが発表されることはなかった。 個人、または組織ぐるみで地面に穴を掘って地下に逃げる人々が現れ、地上はいたる所が穴ぼこだらけとなった。
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