第二話  郵便受けの中

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「一日目」 ある日、俺の元に一通の手紙が届いていた。 封筒には差出人の住所も名前も無く、表に俺の名前だけが黒々と太い字で書かれてあった。 切手も何処にも見当たらない。    どうやらこれは、郵便受けの中に直接放り込んだ物らしい。 「誰からだろう?」 不審に思いながら中を開けると、そこには小さな紙が一枚入っているだけだった。 それにはただ、数字の「5」とだけ書かれてある。 「何だ? これは」 たぶん近所の子供の悪戯だろうと思い、さして気にもとめなかった。        ・ 「二日目」 次の日仕事から帰ってくると、また郵便受けの中に手紙が入っていた。 昨日と同じ封筒に同じ筆跡で、やはり俺の名だけが書かれている。 そして中には「4」と書かれた小さな紙が入っていた。 「……」
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