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「三日目」
次の日も同じ手紙が郵便受けに入っていた。
そこには「3」と書かれた紙が一枚入っていた。
こうなると俺もいささか薄気味悪くなって来た。
幸い明日は仕事が休みである。
誰がこんな変な物を遣してくるのか、突き止めてろうかと考えはじめた。
やがてそれが――何が何でも突き止めてやる! ――に変わるまでに、それほど時間はかからなかった。
とは言っても、一日中郵便受けの前で待ち伏せしているわけにもいかない。
それに俺が居たのでは、手紙を放り込む奴が俺に気がついて逃げだしてしまうかもしれない。
そこで俺はビデオカメラを使う事にした。
・
「四日目」
俺はカメラを二階のベランダに備え付けた。
此処からだと郵便受けが、死角なくすべて見える。
そして百八十分テープを二倍速で回した。
これでカメラは六時間郵便受けを撮り続ける事になる。
俺は何事も無かったかの様にふらり町に出かけて行き、映画を一本見て、ゆっくりと食事をしてから家に帰った。
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