第2章

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廊下をしばらく歩いたところで先生の足が止まる。 福田「君のクラスはここ、2年3組だよ。」 先生は「2-3」とプレートがかかっているクラスの前の廊下で言った。 福田「良い生徒たちだからすぐ馴染めると思うよ。じゃあ、私が呼ぶまでここで待っててくれる?」 「分かりました。」 俺が頷くと先生は教室の前のドアを開けて入って行った。 うーん、自己紹介か…。人間、初対面の時が大切だよなぁ……。 とか、考えているうちに先生の声が聞こえた。 福田「入ってきて。」 まいったな、全然心の準備ができてないんだけど…。 まぁ……なるようになれ☆ 俺はついにドアに手をかけ右に引いた。 ガラッ ……うわぁ…めっちゃ見られてる。 冷や汗をかきながらも俺は先生の隣に立った。 福田「じゃあ、自己紹介してね。」 うん、するから皆俺を見ないで。 出来れば後ろの黒板を見て欲しい。 「えっと、家の事情でこっちに転校してきた柴田秋です。よろし、く。」 よし、言えたぞ俺。 福田「空いてる席は…そうだね神川くんの後ろが空いてるね。柴田くん、後ろのあの席に座って。」 先生の指示に従って、俺は後ろの神川くんこと神様の後ろの席に座った。 はぁ、色々とめんどくさいなぁ…。 福田「では、今日のHRは…。」 先生がHRを始めた。 って、それどころじゃないよ俺は。 さっきからずっと左斜め前の黒髪のイケメンがこっち見てる…。 ちらっと見る限り、なんかものすごく殺気立ってるんだよ…怖いよ…。 俺が何かしでかしましたかイケメンさん…。俺食っても美味くないですよ……。 しばらくしたらそのイケメンさんは俺を見るのに飽きたのか、ふいっと視線を外にいる鳩に向けた。 …本当になんだったんだ…?
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