第2章

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窓から顔を出してきたのはあの黒髪のイケメンさんだった。 「何してるんだ?そんなとこで。」 「あ、ちょっと降りれなくなって…。」 すると、彼は窓から身を乗り出して手を出す。 「それ、投げろ。」 「それって…一応子猫なんだけど…。」 「いいから、投げろよ。」 うーん、いいのか?投げちゃって…。 「仕方がないか……。行くよー。」 えい! ポスッ 子猫はちゃんと落ちずに彼の腕の中に収まった。 「ナイスキャッチ!」 荷物が無くなったせいか俺も落ちずに降りれるような気がしてきた。 細い枝を避けてゆっくりと木を降りた。 「ふぅ。」 「俺が助けてやったんだ。感謝しろよ。」 「え?あ、うん。ありがとう。」 …この人、俺様なのか?随分と偉そうにしてるけど。 助けてもらったのはありがたいけど…なんか凄い睨んでて怖い。危ないなこの人…。 「えっと、その子猫俺が家に持って帰るからいいよ。」 「…いい。俺様が貰ってやる。」 「えっ?」 彼は子猫が気に入ったのか抱えている子猫の頭を優しく撫でた。 …この人、ヤンキーとか言ってたけど案外心優しい人なんじゃ…? そんな事を考えていると向こう側から神様がやって来た。 神様「秋!探したぞ!一体どこをほっつき歩いて……。」 神様はそう言いかけると、俺の他に彼が居るのに気づいて眉間にシワを寄せた。 神様「…なぜお前がここにいる?閻魔。」 俺はその言葉に反応して彼を振り返った。 「閻魔?…って、まさか!?」 彼はニヤリと笑って言う。 閻魔「そうだ。俺は泣く子も黙る閻魔様だぜ。」 それを聞いて俺の開いた口が閉じられなかった。
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